野球のロマンでもあり醍醐味でもある『ホームラン』。
プロ野球を観ていて思うのですが、東京ドームってすぐホームランになるんですよね。
解説の方もよく言っているのですが、東京ドームはホームランが出やすい(多い)球場なんです。
球場の大きさはそれぞれ違うにしても、東京ドームはグラウンドから観客席までの壁は高く設計されているし、なぜそこまでホームランが出やすいんだろう…
このような疑問を解決すべく、東京ドームでホームランが出やすい(多い)理由、ポイントを徹底調査しました!
逆にホームランが出にくい(少ない)といわれている球場とも比較して見ましたので、ぜひ最後までご覧いただき参考にしてみてください。
東京ドームでホームランが出やすい(多い)のはなぜなのか
プロ野球界では、東京ドームでの試合では特にホームランが多く出ることから、東京ドームでのホームランを『ドームラン』とも言われています。
それだけ東京ドームでの試合はホームランが多く、ある意味打ち合いのような試合展開が好きなファンにとっては、ハラハラドキドキした展開を楽しむことができる球場でもあります。
そんな東京ドームは、なぜそんなにホームランが出やすい(多い)のでしょうか。
フェンスまでの距離
東京ドームの大きさは両翼100M、センターバックスクリーン122Mの球場です。
高校野球の聖地「甲子園」と比べると、甲子園は両翼95M、センターバックスクリーン118Mになっています。
球場 | 両翼 | センターバックスクリーン |
東京ドーム | 100M | 122M |
甲子園 | 95M | 118M |
…東京ドームの方が大きいでしょ!?
と思いますよね…
しかし東京ドームは左中間と右中間の膨らみがないため、その分小さいのです。
比較するとこんな感じです。

比較すると8mの差があります。
並べてみるだけでも東京ドームがコンパクトに見えるのは一目瞭然でしょう。
東京ドームならではの気圧の関係
実は東京ドームはドームならではの気圧を調整する機能が関係してホームランが出やすいともいわれています。
どういうことかというと、東京ドームは空気の圧力差で屋根膜を支えるエアー・サポーテッド・ドームというドーム球場になっています。
エアー・サポーテッド・ドームとは…
テフロンコーティング・グラスファイバー膜と鋼ケーブルで構成されるドームのことで、軽量かつ透光性のある屋根を気圧の力で押し上げ屋根の形状を保つシステムのドームのことを指します。
加圧送風ファンによって絶えずドーム内に空気を送り込み、ドーム内の気圧を外よりも高くすることで屋根の形状を保ちます。
この気圧差は人体にはほとんど感じられないほどですが、打ったボールが高く上がることで飛距離の伸びが関係してくるのです。
また、ドーム内からできるだけ空気を逃がさないように、出入口には回転ドアが用いられています。
加圧送風ファンがドームを囲むようにして、スタンド最上部に計36台設置されているため、自然の風ほどではありませんが多少ファンが回っているのでとんだボールに影響を与えているのがホームランが出やすいといわれる理由となっています。
時代の流れ
東京ドームの設立は1988年(昭和63年)で今から37年前に建設された、日本発の屋根付きの球場です。
当時のプロ野球の球場といえば、古くからある神宮球場をはじめとし、今な無き藤井寺球場や川崎球場、さらにはかなりコンパクトだった広島市民球場と、狭い球場ばかりで、当時の東京ドームはかなり大きな球場とされていました。
甲子園球場はラッキーゾーンが設けられたりしていたことで、東京ドームは逆に大きな球場のイメージがありました。
それから時代が流れ、大聞くて新しい球場がどんどん設立されていき、甲子園もラッキーゾーンは撤廃、東京ドームは他と比べても比較的小さい方の球場になってしまったのです。
他球場と比べてどうなのか?
大きさやドームならではの気圧の関係、また時代背景から、他球場よりホームランが出やすい球場ということがお分かりいただけたかと思います。
では他球場と比べるとどのくらい出方がちがうかを比較して見たいと思います。
他球場とのホームラン数を比較
ホームランが出やすい球場順に並べてみました。
ホーム球団 | 球場 | 右翼・左翼 | 右中間・左中間 | センター |
ヤクルト | 神宮球場 | 97.5 | 112.2・112.3 | 120.0 |
日本ハム | エスコンフィールド | 99.0・97.0 | 110.0・114.0 | 122.0 |
ソフトバンク | 福岡PayPayドーム | 100.0 | 110.0 | 122.0 |
巨人 | 東京ドーム | 100.0 | 110.0 | 122.0 |
ロッテ | ZOZOマリン | 99.5 | 112.3 | 122.0 |
DeNA | 横浜スタジアム | 94.2 | 111.4 | 117.7 |
広島 | MAZDAスタジアム | 100.0・101.0 | 116.0 | 122.0 |
西武 | ベルーナドーム | 100.0 | 116.0 | 122.0 |
オリックス | 京セラドーム | 100.0 | 116.0 | 122.0 |
楽天 | 楽天球場 | 100.1 | 116.0 | 122.0 |
中日 | バンテリンドーム | 100.0 | 116.0 | 122.0 |
阪神 | 甲子園球場 | 95.0 | 118.0 | 118.0 |
上からホームランの出やすい球場として並べました。
順位の中の方の球場はシーズンによってホームラン数に多少前後がありますが、一番出やすい『神宮球場』、また、『東京ドーム』と『PayPayドーム』は上位不動です。
また、『バンテリンドーム』と『甲子園球場』もホームランがでにくい球場として不動です。
ホームランが出にくいといわれている球場
ホームランが出にくいといわれている球場もやはりそれなりの理由があります。
甲子園球場
東京ドームと比べても左中間、右中間の深さがかなり深く、他球場と比べてもトップクラスです。
さらに甲子園には、『浜風』と呼ばれる球場特有の風が、日常的に吹いており、その風がライト側からレフト側に向かって吹くため、特にライト方向への打球はかなり失速します。
そのため、左バッターにはかなり不利な球場ともいわれています。
バンテリンドーム
バンテリンドームは球場の広さがトップクラスです。
東京ドームと同じドーム球場なので風の影響は受けませんがこの球場の広さとフェンスの高さでホームランが一番出にくい球場とされています。
ホームランが出やすいといわれている球場
特にホームラン出やすい球場として、ヤクルトスワローズが本拠地とする神宮球場は不動です。
やはりホームランの出やすさは球場の大きさ。
東京ドームと比較しても比較的小さいことがわかります。
球場 | 両翼 | センターバックスクリーン |
東京ドーム | 100M | 122M |
神宮球場 | 91M | 116M |
セリーグの中でも、ヤクルトからホームラン数の多い選手が出るのも、神宮球場を本拠地として数多くプレイしている理由です。
まとめ
東京ドームでホームランが多い理由を紹介してきました。
両翼、センターまではかなり広いはずのなのに、ホームランが多くなる理由として。
- 右中間・左中間の狭さ
- 気圧の変化が用いられている球場だから
- 今の球場の中でも比較的古い球場
が大きく関係していました。
ホームランが出やすいと点も入りやすいので、球場によって展開の楽しみ方の違いを楽しめるのも楽しいですよね。
これからプロ野球を観る時は、球場のホームランの出やすさも意識してぜひ見てほしいなと思います。
コメント